フランスに閉じ込められた

国際離婚で地獄を見た女の話

離婚の決定打となる出来事1

前回の続きです。

私の場合、5年間夫のモラハラとDVに悩まされてきました。離れたいとずっと思っていました。しかし専業主婦だったので離婚後の経済的不安やシングルマザーでやっていけるか、フランスでの離婚になるので私に不利になるのではないかなどの不安の方が大きくなかなか決断できないでいました。

モラハラやDVを受けていることも日本の家族や親にもずっと言えませんでした。海外で生活しているというだけでも心配をかけているのに家庭内でもめていることなど余計な心配をかけると思って言えませんでした。やっと話せたのは1年半前。帰省した時に直接両親に話しました。

父は黙って聞いた後、一言も発さず静かに涙を流していました。

母は「離婚して娘と一緒に日本に実家に戻ってきなさい」と言ってくれました。

田舎生まれ、育ち、県外に出たことがない保守的な両親はきっと離婚に反対すると思っていましたが意外にも受け止めてくれました。

 

両親に打ち明けたもののフランスに戻ってからも不安の方が先立ってなかなか決断できずにいました。

そして2018年2月末、離婚の決定打となる出来事が起こりました。

口論の末、ジョーカーが私の顔を殴り私のメガネが吹っ飛び割れてしまったのです。しかも、娘はその一部始終を見てしまったのです。

今までDVやモラハラはありました。

でも娘の目の前で大きな声を張り上げ、娘の目の前で私を殴った

娘は見なくてもいいものを見てしまった。

当時4歳の娘にしたらどれだけ恐怖でどれだけ不安な気持ちになったことか。娘に心の傷を負わせてしまった。

そのことが私は許せなかったのです。

もうこの人とはこれ以上一緒に暮らせない。

このまま3人で生活し続けたら娘を幸せにすることはできない。

もう終わった。

 

私はすぐに泣いている娘を抱き寄せ、とっさに電話の受話器を持ち警察に電話しました。夫に娘の前で暴力を振るわれた。すぐ家に来てもらうように伝えました。

ジョーカーは発狂し何か言いながら外に出て行きました。

しばらく経って警察官二人が家に来てくれました。ジョーカーは逃げたのでその場にいません。警官から今すぐホームドクターのところに行って診断書を書いてもらいそれを持って警察署に来るようにアドバイスを受けました。

 

娘を連れてすぐにホームドクターのところへ行き待合室で待機していました。すると突然、ジョーカーが待合室に現れたのです。

私たちがここにいることなど知るはずもないのにピンポイントで探し当てて来た。なぜかこれは簡単に想像がつきます。私の携帯電話に無断でGPSを仕込んでいたのです。以前から私の行動を監視していたのです。

以前から妙に私の居場所を知ってるかのような電話やメールでの会話があったのです。GPSどころか家のリビングにも私を監視するための監視カメラを設置していました。

待合室には他の患者さんもいるのでジョーカーは黙って私たちの隣に座り無言の圧力をかけて来ます。

私の番が来て診察室に入ろうとするとジョーカーも付いて来て一緒に入ろうとして来ます。来ないで!と言っても入って来ます。

ドクターは私たち家族のかかりつけのお医者さんなので以前から私たちの家庭内の問題はある程度知っています。

私が話し始める前にジョーカーが言い訳がましく自分に有利なように話し始めました。ドクターは黙って聞き、次は奥さんの番です。今日はどうしたのですか?と聞いてくれたので一部始終を話しました。割れたメガネも証拠として提示し、顔も殴られたところが赤くなっていたので一目瞭然です。私が話している途中でまたジョーカーは発狂して突然席を立ち診察室から出て行きました。

ドクターと私は顔を見合わせて呆れています。

ドクターは暴力を受けて顔が腫れた。全治一週間という内容の診断書を書いてくれました。

続きは次の記事で→