フランスに閉じ込められた

国際離婚で地獄を見た女の話

離婚決意から別居まで2

離婚決意から別居まで1 - フランスに閉じ込められた

↑の続きです。

 

離婚を決めたもの同士が同じ屋根の下で生活し続けるのには限界があります。次は家を出るきっかけとなる出来事が起こり別居が始まります。

家庭内別居生活2ヶ月目が経とうしていたある夜。

いつもは娘と私が同じ寝室のベッドで一緒に寝ていたのですが、ジョーカーが突然やってきて

「今日は俺が娘と寝る。娘は自分と一緒に寝たがっている。」

と言って無理やり娘を自分の寝室に連れて行き内側から鍵をかけて私を入れないようにしてしまったのです。

私は本の読み聞かせも終わっていないし、娘と話したいこともあったので鍵を開けるように何度もドアの外から訴えかけましたが完全無視。娘は様子がおかしいと察したのか泣いています。内側から鍵をかけてなぜ私を部屋から締め出す必要があるのか、娘が泣いているのになぜそんなことをするのか。私はとにかく娘を救出して安心させなくてはという思いで気がつけば何度もドアを叩き体当たりしてついに鍵が壊れてドアが開きました。娘は私の方に駆け寄り飛びついて泣き続けます。

するとジョーカーは怖いくらい冷静な表情ですっと私の横を素通りし電話を持つとすぐに警察に電話をかけているではありませんか。

「精神病の妻が包丁で娘と自分を脅してきたので寝室に逃げて内鍵をかけて入れないようにしたがドアを蹴り破って侵入してきました。助けてください。」

と虚言を話しています。

しまった!罠にはめられた!

数分後、警察2名が到着し別々の部屋で事情を聞かれました。

娘は終始私にしがみついて泣いています。

私はさっきの出来事をありのままに正直に話しました。

警官「奧さんはどうしたいですか?」

私「娘と家を出たいです。このまま夫と同居を続けると娘に悪影響しかありません。心が落ち着いた生活ができません。」

警官「行くあてはあるのですか?」

実はフランス人の友人二人が何かあったらいつでもうちにきていいからと以前から言ってくれていました。

一人は同年代の独身女性Kさん、もう一人は娘の幼稚園で知り合い子供同士も仲が良く家族ぐるみのお付き合いをしていたLさんファミリー。

私はKさんに連絡することにしました。

私「Kさん、突然で申し訳ないのだけど今晩娘と一緒に泊めてもらえるかな?」

Kさん「大丈夫よ。すぐ迎えに行くから。」

と隣町から車で迎えにきてくれました。

警察は娘と私が今日Kさん宅に泊まることをジョーカーに説得し

私は小さいスーツケースに一泊分の荷物だけを詰めて出て行ったのでした。それ以来この家に戻ることはありませんでした。

Kさん宅に一泊お世話になり、翌日Lさんファミリーに連絡しました。

Lさん「以前から話してると思うけど落ち着くまでうちに住んでいいからね。新しい家が見つかるまで数ヶ月はかかるかもしれないけど一番大事なのは子供を守ること。華子(私)はここに頼れる家族もいないしどんなに心細くて辛いか気持ちはわかるから自分たちを家族だと思ってね。」

 

あなたは家族でも親戚でもない赤の他人を外国人を友情だけで数ヶ月も泊めてあげることができますか?

 

私はジョーカーとの離婚騒動で精神的に追い詰められ極限状態にいた中でLさんファミリーに救われました。今でもお世話になっています。Lさんファミリーがいてくれなかったら私の人生は終わっていたでしょう。

次はLさん宅での居候生活について書きます。